パドレスのブルペンを球種で解剖する|22投手の持ち球一覧

パドレス ブルペンの球種解剖 データカード(22投手の持ち球一覧・2026-08-19取得)選手情報

サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)のブルペン(リリーフ陣)は、クローザーのメイソン・ミラー(Mason Miller)がスライダー51.3%・空振り率54.8%という極端な決め球依存型で、リリーフ12投手の中で最も空振りを奪う。本記事は、そのミラーを含む「2026年シーズンにパドレスで投げた22投手」の持ち球を、使用率・被打率・空振り率・期待被打率・打球の強さまで1枚の表に落とし込んだ。データはすべて筆者が Baseball Savant(Statcast)から自作スクリプトで取得・集計した一次データである(2026-08-19取得)。

この記事でわかること:

  • パドレスのリリーフ陣12投手の「決め球」ランキング(空振り率順・一次データ)
  • 先発10投手を含む全22投手の主要球種一覧(役割を先発/リリーフで明確に区別)
  • AI要約では出せない粒度──球種別の被打率・期待被打率・hard-hit%までの独自集計表

本記事の球種データは、筆者が Baseball Savant(Statcast)から自作スクリプトで取得・集計した一次データである(2026-08-19取得)。役割区分(先発/リリーフ)は MLB 公式の登板記録を使い、2026年の先発登板数が総登板数の半数以上なら先発、それ未満ならリリーフという機械的な基準で判定した。判定は割れなかった。先発と分類した10人はいずれも先発比率52%以上、リリーフと分類した12人はいずれも12%以下で、境界に乗った投手は1人もいない。出典は MLB Stats API(公式)(2026-08-19取得)。小標本の投手は「参考値」と明示し、断定には使わない。

松井裕樹もこのリリーフ陣の一員だ。個別の球種分析は専用記事で深掘りしている:松井裕樹の球種一覧|スプリットとスライダーのデータ


1. パドレスのブルペンは「決め球依存型」──空振り率で読むリリーフ12投手

まず役割を分ける。本記事が主対象とするリリーフ陣は12投手である。先発陣(10投手)は後半の一覧で別枠にまとめる。

リリーフ陣の「決め球」を空振り率(whiff%)で並べると、パドレスのブルペンの正体が見える。最も高い1球種を各投手から抜き出した。

投手役割決め球使用率空振り率被打率
メイソン・ミラークローザースライダー51.3%54.8%.133
エイドリアン・モアヘンリリーフチェンジアップ22.4%53.1%.177
ジェレマイア・エストラーダリリーフスプリット32.5%50.0%.114
松井裕樹リリーフスプリット25.4%47.8%.143
デイビッド・モーガンリリーフスライダー17.3%47.2%.294
ブラッドリー・ロドリゲスリリーフチェンジアップ42.3%39.7%.156
ジェイソン・アダムリリーフスライダー38.1%38.2%.200
カイル・ハートリリーフスプリット20.3%37.6%.176
ワンディ・ペラルタリリーフチェンジアップ33.7%29.5%.266

出典:Baseball Savant(Statcast)・2026-08-19取得。決め球=各投手で空振り率が最も高い主要球種(30球以上)。残る3投手(ジェイコブ・ブリト・ドゥラン)は100球未満のため、この表には載せない。

ブルペンと聞いて剛速球の集団を思い浮かべていた人は、ここで一度つまずくかもしれない。上位に並ぶのは速い球ではなく、曲がる球と落ちる球だ。

この表から、パドレスのブルペンの型が3つ読める。

型① クローザー・ミラーは「スライダー1本」の極端型

ミラーは849球のうちスライダーを51.3%(436球)投げ、その空振り率は54.8%に達する。決め球の期待被打率(xBA)は.088で、実際の被打率.133を下回る。つまり打たれた.133ですら出来過ぎではなく、むしろ運が悪かった側の数字だ。

xBA(期待被打率)とは、打球の速度と角度から算出した「本来なるはずの被打率」で、実際との差が運の振れを示す。ミラーのスライダーはxBAと実測値の両方が低く、まぐれではない。

被打率.133を「それなりに打たれている」と読むと、この球の性質を取り違える。データは、しばしば直感の逆を指す。

型② セットアップの2枚は「落ちる球」で三振を取る

セットアップを担うモアヘンとエストラーダは、いずれも空振り率50%以上の決め球を持つ。モアヘンはチェンジアップ(空振り率53.1%・xBA.134)、エストラーダはスプリット(50.0%・xBA.147)だ。両者とも決め球のhard-hit%(打球速度95マイル以上の割合)が31.3%・20.0%にとどまり、空振りを取りつつ強い打球も抑えている。

なお8月4日時点では両者の決め球がともに空振り率52.0%で並んでいたが、15日ぶんの登板を挟んでモアヘンが53.1%へ伸び、エストラーダは50.0%へ下げた。タイは解消されている。

型③ 松井裕樹は「スプリット+スライダー」の二枚看板

松井裕樹はスプリットの空振り率47.8%(被打率.143)に加え、スライダーでも41.4%(被打率.089)を記録している。決め球が2つある点で、リリーフ陣の中でも変化球の層が厚い。詳細は専用記事で扱う。


2. リリーフ全12投手の球種一覧【主要球種・一次データ】

各リリーフ投手の主要球種(使用率10%以上を目安)を、被打率・空振り率まで一覧にした。これがAI要約では再現できない粒度である。

表はこの先9つ続く。頭から通して読む必要はない。気になる投手のところだけ拾えばいい。

メイソン・ミラー(クローザー・849球)

球種使用率被打率空振り率xBAhard-hit%
スライダー51.3%.13354.8%.08816.7%
フォーシーム46.4%.14340.4%.18237.0%

2球種でほぼ完結する。フォーシームとスライダーだけで97.7%を占め、チェンジアップは19球(参考値)にとどまる。

エイドリアン・モアヘン(1,075球)

球種使用率被打率空振り率xBAhard-hit%
シンカー(ツーシーム)46.3%.23720.3%.26228.3%
チェンジアップ22.4%.17753.1%.13431.3%
スライダー17.0%.25631.9%.22344.0%
フォーシーム14.2%.17543.9%.13841.2%

4球種を使う。シンカーを軸に置きつつ、チェンジアップとフォーシームの2つで空振りを取る。総投球数1,075球はリリーフ陣で最多で、イニングを跨ぐ起用に耐えている。

ワンディ・ペラルタ(990球)

球種使用率被打率空振り率xBAhard-hit%
シンカー(ツーシーム)39.8%.28315.3%.23436.0%
チェンジアップ33.7%.26629.5%.30635.5%
スライダー16.6%.25027.5%.21815.8%
フォーシーム9.9%.3539.3%.30128.6%

シンカーとチェンジアップの左腕。チェンジアップは空振りは取れるがxBA.306と打球内容は良くない。

ブラッドリー・ロドリゲス(915球)

球種使用率被打率空振り率xBAhard-hit%
チェンジアップ42.3%.15639.7%.15126.8%
フォーシーム25.4%.17024.8%.16423.5%
シンカー(ツーシーム)24.7%.30411.5%.24931.4%

チェンジアップを4割超投げる異色の配分。その決め球は被打率.156・xBA.151と数字が一致しており、実力値だ。

カイル・ハート(827球)

球種使用率被打率空振り率xBAhard-hit%
シンカー(ツーシーム)28.8%.16413.0%.16417.5%
スイーパー27.1%.23925.3%.20230.6%
スプリット20.3%.17637.6%.16718.2%
スライダー15.1%.32119.6%.32340.7%

34登板のうち先発は4試合で、長いイニングを任されるリリーフだ。シンカーは被打率.164とxBA.164が完全に一致しており、内容と結果がずれていない。

松井裕樹(790球)

球種使用率被打率空振り率xBAhard-hit%
フォーシーム37.6%.26824.6%.21141.3%
スライダー30.1%.08941.4%.15121.2%
スプリット25.4%.14347.8%.13724.1%

スライダーとスプリットの2変化球がいずれも被打率.150未満・空振り率41%超。フォーシームのhard-hit%41.3%が課題として残る。

ジェイソン・アダム(551球)

球種使用率被打率空振り率xBAhard-hit%
スライダー38.1%.20038.2%.23036.6%
チェンジアップ32.1%.27929.5%.18628.6%
フォーシーム22.9%.27312.1%.29550.0%

スライダーとチェンジアップの二本柱。フォーシームは被打率.273・hard-hit%50.0%で、見せ球寄りだ。2026-08-19時点で60日間の故障者リストに入っており、8月4日から投球数は増えていない。

ジェレマイア・エストラーダ(474球)

球種使用率被打率空振り率xBAhard-hit%
フォーシーム57.6%.18326.6%.23937.8%
スプリット32.5%.11450.0%.14720.0%

フォーシーム+スプリットの2球種で90.1%。決め球スプリットの被打率.114・空振り率50.0%が武器だ。

デイビッド・モーガン(398球)

球種使用率被打率空振り率xBAhard-hit%
フォーシーム28.4%.32030.4%.20622.2%
シンカー(ツーシーム)28.4%.36015.4%.29726.1%
カーブ25.9%.19041.9%.12340.0%
スライダー17.3%.29447.2%.23325.0%

4球種をほぼ均等に配る。カーブ(被打率.190・xBA.123)とスライダー(空振り率47.2%)の縦の変化が持ち味だ。2026-08-19時点ではマイナーへ降格しており、数値は8月4日から動いていない。

小標本の投手(参考値)

以下は小標本のため、数字を断定に使えない。参考値として持ち球のみ示す。3人とも2026-08-19時点でマイナー所属である。

小標本は書き手にとって一番の誘惑だ。派手な数字ほど言い切りたくなる。ここは我慢する。

  • アレック・ジェイコブ(87球・参考値):フォーシーム/チェンジアップ/シンカー中心。チェンジアップは30球で空振り率70.6%だが、標本が小さく評価は保留する
  • ジョニー・ブリト(78球・参考値):チェンジアップ/スイーパー/シンカーなど5球種を散らす。全球種が20球以下で、傾向は読めない
  • ロドルフォ・ドゥラン(1球・参考値):カーブ1球のみ。評価対象外

出典:Baseball Savant(Statcast)・2026-08-19取得。所属は MLB Stats API(公式)(2026-08-19取得)。参考値=100球未満のため断定に用いない。


3. 先発陣10投手の主要球種一覧【ブルペンと区別して掲載】

「パドレス ブルペン」で検索する読者の多くは投手陣全体を見たいはずだが、先発とリリーフを混同してはいけない。以下は先発として起用される10投手であり、ブルペン(リリーフ陣)ではない。各投手の最多球種を1つだけ抜き出した。

混ぜたまま眺めると、投球数の桁が合わずに首をかしげることになる。先発と救援では、そもそも投げる球数の単位が違う。

投手総投球数最多球種使用率被打率空振り率
ロビー・レイ2,328球フォーシーム32.9%.23320.6%
マイケル・キング2,310球チェンジアップ28.2%.19727.9%
ウォーカー・ビューラー2,061球カッター25.0%.22019.9%
ランディ・バスケス1,816球フォーシーム31.2%.23419.7%
ケーシー・マイズ1,564球フォーシーム34.3%.19822.9%
グリフィン・キャニング1,265球フォーシーム25.8%.25418.8%
ジャーマン・マルケス918球フォーシーム38.1%.27813.7%
ルーカス・ジオリート551球フォーシーム41.6%.31916.7%
JP・シアーズ529球フォーシーム34.4%.23118.9%
ニック・ピベッタ283球フォーシーム57.6%.18223.8%

出典:Baseball Savant(Statcast)・2026-08-19取得。役割区分は先発登板数と総登板数の比で判定した。判定に使った登板記録の出典は MLB Stats API(公式)(2026-08-19取得)。

表を読む前に押さえる注記が2つある。

1つめ。ロビー・レイ(2,328球)とケーシー・マイズ(1,564球)は2026年シーズン途中にパドレスへ加入した投手で、上の総投球数は移籍前を含むシーズン通算である。パドレスでの登板だけの数字ではない。パドレスでの成績はレイが3先発15.0イニング、マイズが3先発15.1イニングにとどまる。ここを混ぜると「レイがパドレス投手陣で最も投げている」という誤読が起きるので、先に断っておく。

2つめ。ジャーマン・マルケス(918球)は2026-08-19時点でパドレスの球団在籍投手ではない。セントポール・セインツ(ミネソタ・ツインズ傘下)に所属している。918球はパドレス在籍時の13登板53.0イニングぶんであり、2026年のパドレス投手陣を語る上では残しておく価値があるため、離脱済みと明記した上で掲載している。

いずれも出典は MLB Stats API(公式)(2026-08-19取得)。

先発陣で目を引くのは2人だ。マイケル・キングは総投球数2,310球を5球種に散らし、最多のチェンジアップでも28.2%にとどまる。ニック・ピベッタは逆にフォーシーム57.6%の一点集中型で、同じ先発でも設計思想が正反対である。

筆者の見立て:先発陣は「軸の1球種で押す型」(ピベッタのフォーシーム57.6%)と「散らす型」(キングの5球種均等)に分かれる。リリーフ陣が決め球依存で空振りを取りにいく設計なのと対照的だ。推測:この型分けは使用率の分布から読んだものであり、配球意図そのものはデータには写らない。


4. ブルペンの空振り率No.1はミラー、被打率No.1は松井裕樹

リリーフ陣を2つの指標でランキングすると、決め球の質がはっきりする(主要球種のみ・30球以上)。

決め球の空振り率トップ5(リリーフ)

順位投手球種空振り率
1メイソン・ミラースライダー54.8%
2エイドリアン・モアヘンチェンジアップ53.1%
3ジェレマイア・エストラーダスプリット50.0%
4松井裕樹スプリット47.8%
5デイビッド・モーガンスライダー47.2%

被打率トップ5(リリーフ・低いほど良い・投手1人につき最良の1球種)

順位投手球種被打率
1松井裕樹スライダー.089
2ジェレマイア・エストラーダスプリット.114
3メイソン・ミラースライダー.133
4ブラッドリー・ロドリゲスチェンジアップ.156
5カイル・ハートシンカー(ツーシーム).164

出典:Baseball Savant(Statcast)・2026-08-19取得。

空振り率はミラーが単独1位、被打率は松井裕樹のスライダー(.089)が最も低い。パドレスのブルペンは「スライダー系」と「落ちる球系(スプリット・チェンジアップ)」の2系統で三振を積み上げている。速球で押し切るタイプは、決め球ランキングにはほとんど顔を出さない。

速い球の集団という像を持って来た読者ほど、この並びは意外に映るはずだ。パドレスの救援が三振を積んでいる道具は、実際こちらの2系統である。

ミラーや松井の登板を現地で見たいなら、球場への行き方を先に押さえておくとよい:ペトコパークへの行き方|空港から公共交通で15分


5. よくある質問(FAQ)

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出典・参考リンク


初出:(公開時に記入)

最終データ確認:球種データ 2026-08-19(Baseball Savant)/役割区分・在籍状況 2026-08-19(MLB Stats API の登板記録で裏取り)

更新履歴:2026-08-19 — 球種データを全面差し替え(前回2026-08-04取得)。マット・ウォルドロンの移籍に伴い掲載対象から除外し、ロビー・レイ・ケーシー・マイズ・カイル・ハートを追加。掲載投手を21人から22人に変更した。

筆者:パドレスヘッズ

本記事はデータと公表情報を元にした整理であり、予想・見解を含む箇所は「筆者の見立て」ラベルで明示している。数値は2026-08-19取得の途中経過であり、シーズン進行により更新される。

パドレスのブルペンで一番の決め球を持つ投手は?

A. データ上はクローザーのメイソン・ミラーです。スライダーを使用率51.3%で投げ、その空振り率は54.8%とリリーフ陣で最も高く、期待被打率(xBA)は.088です。落ちる球ではエイドリアン・モアヘンのチェンジアップが空振り率53.1%、ジェレマイア・エストラーダのスプリットが50.0%で続きます(Baseball Savant・2026-08-19取得)。

パドレスのクローザーは誰?

A. 2026年シーズンはメイソン・ミラーがクローザーを務めます。セットアップはジェレマイア・エストラーダとエイドリアン・モアヘンが中心です。ジェイソン・アダムも同じ役割の投手ですが、2026-08-19時点では60日間の故障者リストに入っています(MLB Stats API・2026-08-19取得)。

松井裕樹はパドレスのブルペンでどんな球を投げる?

A. フォーシーム・スライダー・スプリットが主体です。スライダーは被打率.089・空振り率41.4%、スプリットは被打率.143・空振り率47.8%と、2つの変化球がいずれも高水準です。リリーフ陣の中でも決め球が2つある珍しいタイプです(Baseball Savant・2026-08-19取得)。

この記事のデータはどこから取得したもの?

A. 球種データはすべて Baseball Savant(Statcast)から筆者が自作スクリプトで取得・集計した一次データです(2026-08-19取得)。使用率・被打率・空振り率に加え、期待被打率(xBA)と打球の強さ(hard-hit%)まで球種別に集計しています。役割区分と在籍状況は MLB Stats API の登板記録で裏取りしました(2026-08-19取得)。日本語のまとめ記事は根拠に使っていません。

先発投手もこの記事に含まれているのはなぜ?

A. 「パドレス ブルペン」で検索する読者は投手陣全体を見たい場合が多いためです。ただし先発とリリーフを混同しないよう、本記事はリリーフ陣12投手を主対象に据え、先発陣10投手は「先発陣」として明確に区別した別の表に掲載しています。

前回更新(8月4日)から数字はどれくらい動いた?

A. 15日ぶんの登板が積み上がり、稼働中の投手は全員が投球数を増やしています。エイドリアン・モアヘンは946球から1,075球、ワンディ・ペラルタは890球から990球、ブラッドリー・ロドリゲスは794球から915球、メイソン・ミラーは752球から849球、松井裕樹は688球から790球、ジェレマイア・エストラーダは369球から474球です。順位も入れ替わり、決め球の空振り率で並んでいたモアヘンとエストラーダのタイは解消され、松井裕樹がデイビッド・モーガンを抜いて4位になりました(Baseball Savant・2026-08-04取得および2026-08-19取得)。

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