松井裕樹の球種を数字で見る|スライダー空振り率44.7%

松井裕樹の球種アーセナル データカード(フォーシーム38.5%・スライダー30.2%・スプリット24.3%、スライダー空振り率44.7%)選手情報

松井裕樹(Yuki Matsui・サンディエゴ・パドレス・背番号1・左腕リリーバー)は2026年、フォーシーム・スライダー・スプリット・スイーパー・シンカーの5球種を投げている。使用率はフォーシーム38.5%・スライダー30.2%・スプリット24.3%で、この3球種が全体の93.0%を占める。決め球はスプリット(空振り率46.5%)とスライダー(同44.7%)の2枚だ(出典:Baseball Savant(Statcast)・2026-08-04取得・688球)。

この記事でわかること:

  • 2026年の球種5種の割合・被打率・空振り率(1枚の表)
  • 2024→2025→2026年の3年変遷──スライダーが「消えて、戻ってきた」までの数字
  • シーズン成績という結果を、球種データという理由から読む視点(最新の数字は§6の自動更新表)

球種の名前だけなら、MLB公式アプリでも確認できる。ただ、球種名が分かっても、その球が効いているのかどうかまでは分からない。本記事の役割はその先にある。割合・被打率・空振り率を3年分そろえ、日本語で読める1枚の表にすることだ。数値はすべてBaseball Savant(Statcast)とMLB Stats APIの一次データで、取得日を明記した。

なお、松井を含むパドレス日本人選手の全体像は別記事にまとめている。まず全体を掴みたい方は「パドレスの日本人選手は歴代6名|現役3名と全員の系譜」からどうぞ。歴代6名・現役3名の現況を1ページで確認できる。


1. 松井裕樹の球種は5種類【2026年の割合と成績】

2026年の松井裕樹は5球種を投げている。8月3日の登板までの全688球の内訳が、次の表だ。

球種投球数使用率被打率空振り率奪三振率期待被打率
フォーシーム265球38.5%.27126.0%19.0%.201
スライダー208球30.2%.10344.7%27.3%.156
スプリット167球24.3%.15946.5%37.3%.149
スイーパー29球4.2%.25022.2%50.0%.298
シンカー(ツーシーム)19球2.8%.0000.0%0.0%.141

出典:Baseball Savant(Statcast)・2026-08-04取得

指標の意味は次のとおり。whiff%やxBAといった略号が並ぶと身構えるが、初めての方はここだけ押さえれば読み進められる。

  • 空振り率(whiff%):スイングされたうち空振りになった割合。決め球の質を示す
  • 期待被打率(xBA):打球の速度と角度から算出した「本来なるはずの被打率」。実際の被打率との差は運の振れを示す

この表の読みどころは3つある。

  1. 主力は3球種。フォーシーム・スライダー・スプリットで全体の93.0%を占める
  2. スイーパー29球・シンカー19球は小標本。この2球種の被打率・空振り率は参考値にとどめる
  3. 松井はリリーフ投手である。1登板1イニング前後の中で、この5枚を使い分けている

シーズン途中のデータではあるが、主力3球種はいずれも160球を超えており、傾向を語れる標本になっている。

とくに2つ目は落とし穴になりやすい。シンカーの被打率.000は目を引くが、19球である。ここを根拠に語り出すと、たいてい外す。

松井がブルペン全体のどこにいるかも数字で出せる。2026年にパドレスで投げた22投手を、リリーフ12人と先発10人に分けて球種を並べたのがパドレスのリリーフ12投手の球種である。

同記事の2026-08-19取得のデータでは、リリーフの決め球で最も被打率が低いのは松井のスライダーだった。本記事の数値は2026-08-04取得なので、同じ球でも値は一致しない。


2. 決め球はどれか?──空振り率はスプリット46.5%・スライダー44.7%

2026年の松井裕樹の決め球は、スプリットとスライダーの2枚である。

  • スプリット:空振り率46.5%・被打率.159・奪三振率37.3%
  • スライダー:空振り率44.7%・被打率.103・期待被打率.156

空振り率46.5%とは、打者がスイングした10回のうち4.6回が空振りという意味だ。振ってもらえれば、半分近くバットに当たらない。スライダーの被打率.103は、およそ「10打数1安打」のペースである。

しかも、スライダーの期待被打率は.156と低い。打たれていないのは運ではなく、打球の質そのものを抑え込んでいる結果だ。硬い打球(打球速度95マイル以上)の割合も21.4%にとどまる。フォーシームの47.4%の半分以下である(出典:Baseball Savant・2026-08-04取得)。

44.7%と46.5%を並べると、つい「どちらが上か」を決めたくなる。だが、この2枚は同じ仕事をしていない。

筆者の見立て:2枚の役割は分かれている。奪三振率はスプリット37.3%、スライダー27.3%。三振を取りにいく最後の球がスプリット、カウントを作りながら空振りも奪えるのがスライダー、という使い分けが数字に表れている。


3. 3年間で球種はどう変わったか【2024→2025→2026】

メジャー1年目の2024年から、球種の「顔ぶれ」は毎年5種で変わらない。数字の見出しだけ追うと、3年間なにも起きていないように見える。変わったのは中身である。3年分のarsenal(球種構成)を同じ物差しで並べた(筆者作表)。

使用率の推移

球種2024年2025年2026年
フォーシーム41.0%39.5%38.5%
スライダー27.1%15.9%30.2%
スプリット24.5%32.2%24.3%
スイーパー6.4%10.7%4.2%
カーブ1.0%
シンカー(ツーシーム)1.5%2.8%
総投球数1,048球1,061球688球

空振り率の推移

球種2024年2025年2026年
フォーシーム19.1%17.9%26.0%
スライダー45.1%22.8%44.7%
スプリット41.1%44.9%46.5%
スイーパー33.3%43.6%22.2%

筆者作表。出典:Baseball Savant(Statcast)。2024年・2025年分は2026-08-05取得、2026年分は2026-08-04取得。

この2枚の表から、3つの事実が読み取れる。

  1. 球種は3年連続で5種。ただし2024年のカーブ(10球)が消え、2025年からシンカーに入れ替わった
  2. スライダーは往復した。使用率27.1%→15.9%→30.2%、空振り率45.1%→22.8%→44.7%。2025年に一度「消えかけて」、2026年に戻ってきた
  3. スプリットの空振り率だけが3年間、一度も落ちていない(41.1%→44.9%→46.5%)。松井のメジャー3年間で最も安定した武器だ

4. なぜ2025年にスライダーは消えかけたのか

答えは単純で、結果が出なかったからである。2025年のスライダーは空振り率22.8%と、前年の45.1%からほぼ半減した。被打率は.273、期待被打率は.322まで悪化している。打たれたのは不運ではなく、球質そのものが劣化していたことを数字が示す。

この年の松井は、落ちたスライダーの穴を2つの球種で埋めた。

  • スプリット:使用率を24.5%から32.2%へ引き上げ、空振り率44.9%と主武器化
  • スイーパー:使用率を6.4%から10.7%へ倍増。被打率.056・空振り率43.6%と機能した

そして2026年、スライダーが空振り率44.7%と2024年の水準(45.1%)まで戻った。それに伴い使用率は30.2%と自己最高になり、代役だったスイーパーは4.2%まで畳まれている。

1年だけ切り取れば、「スライダーを捨てた投手」にも「スライダーが武器の投手」にも見える。3年並べて初めて、往復していただけだと分かる。

筆者の見立て:2025年は「スライダーの不調を、スイーパーとスプリットの2球種で応急処置した年」。2026年は「本来のスライダーが戻り、変化球の軸を組み直した年」と整理できる。防御率が前年の3.98から改善した時期と、スライダーの空振り率が回復した時期は重なっている。防御率は結果であり、球種データはその理由を映す。

現地でこの投球を見たくなった方へ。観に行くと決める前に、まず総額の全体像から掴むのが早い。「MLB観戦の費用|日本発の総額は約30万円から」に航空券からチケットまでの内訳をまとめている。


5. フォーシームは打たれすぎなのか?──被打率.271と期待被打率.201の差

軸のフォーシームには、良い変化と悪い変化が同時に起きている。

  • 悪い変化:被打率.271は3年間で最悪(.223→.235→.271)。硬い打球の割合47.4%も3年間で最高
  • 良い変化:空振り率26.0%は3年間で最高(19.1%→17.9%→26.0%)

そして両者の間に、期待被打率.201という数字がある。実際の被打率.271との差は.070で、打球の質から見込まれる水準より悪い結果が出ている。つまり、当てられた打球は強いが、実際の被打率には不運の上振れも乗っている、というのが正確な読みだ。

筆者の見立て:被打率.271だけを見て「速球が通用していない」と断じるのは早い。空振り率は上がっており、期待被打率は.201に収まっている。警戒すべきは硬い打球の割合が3年連続で上がっている点で、ここが2027年に向けた監視ポイントになる。


6. 球種から見る2026年の現在地【今季成績・毎朝自動更新】

最後に、球種データの土台となるシーズン全体の数字を置く。今季の最新成績は次の表のとおりで、MLB Stats APIから毎朝自動で更新される。

登板投球回勝敗セーブ/ホールド防御率奪三振WHIP
4051.13勝1敗0S / 8H2.10551.15

今季成績は毎朝自動更新。出典:MLB Stats API(2026-08-27取得)

8月3日にはダイヤモンドバックス戦で1回1/3を無失点に抑えた(出典:スポニチアネックス 2026-08-04)。同日のトレードデッドラインも越え、パドレスの一員として稼働を続けている。

今季の防御率は、前年の3.98から明確に改善した水準で推移している。その中身を球種の言葉で言えば、スライダーの復活によって決め球が2枚に戻ったことが最大の変化である。スプリット1枚に頼った2025年と、46.5%と44.7%の2枚で空振りを取れる2026年。結果の差は、この構成の差から生まれている。

累計の数字は、月別に割ると別の顔になる。5月から8月までを月ごとに集計した推移は「松井裕樹の2026年成績|月別4区分で読む現在地」で扱っている。同記事の月別集計は2026-08-19が基準日で、本記事の球種データ(2026-08-04取得)より新しい。

3年分を同じ物差しで並べるのは地味な作業だが、こういう往復はそうしないと見えてこない。当サイトはBaseball SavantとMLB Stats APIから一次データを直接取得し、3年分を同じ集計方法で並べて分析している。数値の使い回しはせず、取得日を毎回明記する方針だ。


よくある質問(FAQ)

松井裕樹の球種は何種類?

5種類です。フォーシーム・スライダー・スプリット・スイーパー・シンカー(ツーシーム)を投げています。2026年の使用率はフォーシーム38.5%・スライダー30.2%・スプリット24.3%です。この3球種が全体の93.0%を占めます(Baseball Savant・2026-08-04取得・688球)。

松井裕樹の決め球は?

スプリットとスライダーの2枚です。2026年の空振り率はスプリット46.5%・スライダー44.7%で、いずれもスイングの半分近くが空振りになる水準です。スライダーは被打率.103・期待被打率.156と、打球の質でも抑え込んでいます。

松井裕樹の球種の割合は?

2026年(8月3日の登板まで・688球)は、フォーシーム38.5%・スライダー30.2%・スプリット24.3%です。残りはスイーパー4.2%・シンカー2.8%です。2025年に15.9%まで減ったスライダーを30.2%まで戻した点が、2026年の最大の変化になります。

2025年と比べて何が変わった?

スライダーの復活です。2025年のスライダーは空振り率22.8%・被打率.273と機能せず、使用率も15.9%に落ちていました。2026年は空振り率44.7%とメジャー1年目の水準(45.1%)に戻り、使用率30.2%と自己最高になっています。代役だったスイーパーは10.7%から4.2%に減りました。

松井裕樹の2026年の成績は?

救援の主力として登板を重ねており、防御率・WHIPとも前年(防御率3.98・WHIP 1.36)から明確に改善した水準で推移しています。最新の今季成績は本文§6の自動更新表を参照してください(MLB Stats APIから毎朝自動更新)。

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出典・参考リンク


初出:2026-08-06
最終データ確認:2026-08-09(シーズン成績は§6の表でMLB Stats APIから毎朝自動更新。球種データはBaseball Savant 2026-08-04/05取得分・8月3日の登板まで反映)
次回レビュー予定:2026-09-05(月次鮮度パトロールで検出)
筆者:パドレスヘッズ

本記事はBaseball Savant(Statcast)とMLB Stats APIの一次データに基づく分析であり、予想・見解を含む箇所は「筆者の見立て」ラベルで明示している。数値は執筆時点の集計であり、シーズン進行に伴い変動する。

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