この記事でわかること
- 1969〜2026年の58シーズン、その年のチーム最多セーブが誰だったかの全一覧
- 球団通算セーブの歴代トップ15。1位と2位が4.1倍離れているという偏り
- クローザーの平均在任が1〜2年しかなく、ホフマンの15年だけが例外だった構造(筆者集計)
日本語で「パドレス 歴代クローザー」と調べても、年表として並んだ一覧はほぼ出てこない。ホフマン単体、ミラー単体の記事はある。その間をつなぐ58年ぶんが抜けている。 そこを数字で埋めるのがこの記事の役目だ。
いまのパドレスに日本人選手は何人いるのか|2026年の在籍状況へ →
ブルペンの話が続くので、松井裕樹の現在地が気になった人はこちらから。
1. 結論:58シーズンで31人が入れ替わり、うち14シーズンがホフマン1人
答えを先に置く。パドレスのクローザーは58シーズンで31人が入れ替わった。 1人あたりの平均は1.87シーズンにしかならない。
ただし平均は実態を隠す。31人のうち21人、つまり67.7%は、チーム最多セーブになったのが1度きりだった。一方でホフマンは14度である。
まず言葉を定義しておく。本記事の「その年のクローザー」は、リーグ全体のセーブ王ではなく、そのシーズンにチーム内で最も多くセーブを挙げた投手を指す。 守護神が途中で交代した年も、最終的にセーブが最多だった1人を置いている。
MLB公式は2026年2月、ミラーを守護神に指名した記事で球団の系譜をこう書いた。
The Padres, of course, boast a storied tradition of great closers — from Rollie Fingers to Goose Gossage to Trevor Hoffman.
訳すとこうなる。パドレスにはロリー・フィンガーズ、リッチ・ゴセージ、トレバー・ホフマンと続く名クローザーの伝統がある。出典はMLB.comである(2026-02-11公開・2026-08-17取得)。
その伝統は本当にあった。ただし58年を1行ずつ並べると、伝統の実体は連続ではなく「1〜2年で入れ替わる時期」と「1人が15年居座った時期」の落差だと分かる。
2. 1969〜2026年|全58シーズンの一覧表
数えたのは58シーズン、取得失敗はゼロだった。セーブの記録者がいなかった年も存在しない。
| 年 | 投手 | S | 防御率 | 登板 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1969 | ビリー・マクール | 7 | 4.30 | 54 | 58.2 | 35 | 1.72 |
| 1970 | トム・デュークス | 10 | 4.04 | 53 | 69.0 | 56 | 1.26 |
| 1971 | ボブ・ミラー | 10 | 1.64 | 56 | 98.2 | 51 | 1.25 |
| 1972 | マイク・コーキンス | 6 | 3.54 | 47 | 140.0 | 108 | 1.34 |
| 1973 | マイク・コールドウェル | 10 | 3.74 | 55 | 149.0 | 86 | 1.34 |
| 1974 | ビセンテ・ロモ | 9 | 4.56 | 54 | 71.0 | 26 | 1.62 |
| 1975 | ダニー・フリセラ | 9 | 3.13 | 65 | 97.2 | 67 | 1.40 |
| 1976 | ブッチ・メツガー | 16 | 2.92 | 77 | 123.1 | 89 | 1.39 |
| 1977 | ロリー・フィンガーズ | 35 | 2.99 | 78 | 132.1 | 113 | 1.20 |
| 1978 | ロリー・フィンガーズ | 37 | 2.52 | 67 | 107.1 | 72 | 1.05 |
| 1979 | ロリー・フィンガーズ | 13 | 4.52 | 54 | 83.2 | 65 | 1.53 |
| 1980 | ロリー・フィンガーズ | 23 | 2.80 | 66 | 103.0 | 69 | 1.29 |
| 1981 | ゲイリー・ルーカス | 13 | 2.00 | 57 | 90.0 | 53 | 1.27 |
| 1982 | ゲイリー・ルーカス | 16 | 3.24 | 65 | 97.1 | 64 | 1.21 |
| 1983 | ゲイリー・ルーカス | 17 | 2.87 | 62 | 91.0 | 60 | 1.31 |
| 1984 | リッチ・ゴセージ | 25 | 2.90 | 62 | 102.1 | 84 | 1.08 |
| 1985 | リッチ・ゴセージ | 26 | 1.82 | 50 | 79.0 | 52 | 1.03 |
| 1986 | リッチ・ゴセージ | 21 | 4.45 | 45 | 64.2 | 63 | 1.38 |
| 1987 | ランス・マカラーズ(父) | 16 | 3.72 | 78 | 123.1 | 126 | 1.41 |
| 1988 | マーク・デービス | 28 | 2.01 | 62 | 98.1 | 102 | 1.14 |
| 1989 | マーク・デービス | 44 | 1.85 | 70 | 92.2 | 92 | 1.05 |
| 1990 | クレイグ・レフェーツ | 23 | 2.52 | 56 | 78.2 | 60 | 1.14 |
| 1991 | クレイグ・レフェーツ | 23 | 3.91 | 54 | 69.0 | 48 | 1.28 |
| 1992 | ランディ・マイヤーズ | 38 | 4.29 | 66 | 79.2 | 66 | 1.48 |
| 1993 | ジーン・ハリス | 23 | 3.03 | 59 | 59.1 | 39 | 1.58 |
| 1994 | トレバー・ホフマン | 20 | 2.57 | 47 | 56.0 | 68 | 1.05 |
| 1995 | トレバー・ホフマン | 31 | 3.88 | 55 | 53.1 | 52 | 1.16 |
| 1996 | トレバー・ホフマン | 42 | 2.25 | 70 | 88.0 | 111 | 0.92 |
| 1997 | トレバー・ホフマン | 37 | 2.66 | 70 | 81.1 | 111 | 1.02 |
| 1998 | トレバー・ホフマン | 53 | 1.48 | 66 | 73.0 | 86 | 0.85 |
| 1999 | トレバー・ホフマン | 40 | 2.14 | 63 | 67.1 | 73 | 0.94 |
| 2000 | トレバー・ホフマン | 43 | 2.99 | 70 | 72.1 | 85 | 1.00 |
| 2001 | トレバー・ホフマン | 43 | 3.43 | 62 | 60.1 | 63 | 1.14 |
| 2002 | トレバー・ホフマン | 38 | 2.73 | 61 | 59.1 | 69 | 1.18 |
| 2003 | ロッド・ベック | 20 | 1.78 | 36 | 35.1 | 32 | 1.02 |
| 2004 | トレバー・ホフマン | 41 | 2.30 | 55 | 54.2 | 53 | 0.91 |
| 2005 | トレバー・ホフマン | 43 | 2.97 | 60 | 57.2 | 54 | 1.11 |
| 2006 | トレバー・ホフマン | 46 | 2.14 | 65 | 63.0 | 50 | 0.97 |
| 2007 | トレバー・ホフマン | 42 | 2.98 | 61 | 57.1 | 44 | 1.12 |
| 2008 | トレバー・ホフマン | 30 | 3.77 | 48 | 45.1 | 46 | 1.04 |
| 2009 | ヒース・ベル | 42 | 2.71 | 68 | 69.2 | 79 | 1.12 |
| 2010 | ヒース・ベル | 47 | 1.93 | 67 | 70.0 | 86 | 1.20 |
| 2011 | ヒース・ベル | 43 | 2.44 | 64 | 62.2 | 51 | 1.15 |
| 2012 | エルネスト・フリエリ | 23 | 2.32 | 67 | 66.0 | 98 | 0.98 |
| 2013 | ヒューストン・ストリート | 33 | 2.70 | 58 | 56.2 | 46 | 1.02 |
| 2014 | ヒューストン・ストリート | 41 | 1.37 | 61 | 59.1 | 57 | 0.94 |
| 2015 | クレイグ・キンブレル | 39 | 2.58 | 61 | 59.1 | 87 | 1.04 |
| 2016 | フェルナンド・ロドニー | 25 | 3.44 | 67 | 65.1 | 74 | 1.39 |
| 2017 | ブランドン・マウラー | 22 | 6.52 | 68 | 59.1 | 59 | 1.55 |
| 2018 | ブラッド・ハンド | 32 | 2.75 | 69 | 72.0 | 106 | 1.11 |
| 2019 | カービー・イェーツ | 41 | 1.19 | 60 | 60.2 | 101 | 0.89 |
| 2020 | トレバー・ローゼンタール | 11 | 1.90 | 23 | 23.2 | 38 | 0.85 |
| 2021 | マーク・メランソン | 39 | 2.23 | 64 | 64.2 | 59 | 1.22 |
| 2022 | ジョシュ・ヘイダー | 36 | 5.22 | 56 | 50.0 | 81 | 1.28 |
| 2023 | ジョシュ・ヘイダー | 33 | 1.28 | 61 | 56.1 | 85 | 1.10 |
| 2024 | ロベルト・スアレス | 36 | 2.77 | 65 | 65.0 | 59 | 1.05 |
| 2025 | ロベルト・スアレス | 40 | 2.97 | 70 | 69.2 | 75 | 0.90 |
| 2026 | メイソン・ミラー | 30 | 0.88 | 49 | 51.1 | 93 | 0.84 |
出典:MLB Stats API(statsapi.mlb.com・レギュラーシーズンのみ・2026-08-16取得)。筆者がAPIから年別に取得して集計した。投球回は野球式の表記で、58.2は58回3分の2を指す。WHIPは1イニングあたりに許した走者数(安打+四球)で、値が小さいほど良い。2026年はシーズン途中の数字である。再取得は python3 scripts/padres-closers-pull.py。
一覧をながめると、1970年代の投球回に目が留まる。1972年のマイク・コーキンスは140.0回、1973年のマイク・コールドウェルは149.0回を投げている。いまのクローザーの3倍近い。 当時の「抑え」は9回だけの担当ではなかった。
3. 球団通算セーブのトップ15|1位と2位が4.1倍離れている
球団通算で見ると、偏りはさらに露骨になる。1位ホフマンの552セーブに対し、2位ヒース・ベルは134。差は418もある。
| 順 | 投手 | 英語表記 | 球団通算セーブ |
|---|---|---|---|
| 1 | トレバー・ホフマン | Trevor Hoffman | 552 |
| 2 | ヒース・ベル | Heath Bell | 134 |
| 3 | ロリー・フィンガーズ | Rollie Fingers | 108 |
| 4 | リッチ・ゴセージ | Rich Gossage | 83 |
| 5 | ヒューストン・ストリート | Huston Street | 80 |
| 6 | マーク・デービス | Mark Davis | 78 |
| 7 | ロベルト・スアレス | Robert Suarez | 77 |
| 8 | クレイグ・レフェーツ | Craig Lefferts | 64 |
| 9 | カービー・イェーツ | Kirby Yates | 56 |
| 10 | ゲイリー・ルーカス | Gary Lucas | 49 |
| 11 | ブラッド・ハンド | Brad Hand | 46 |
| 12 | ジョシュ・ヘイダー | Josh Hader | 40 |
| 13 | クレイグ・キンブレル | Craig Kimbrel | 39 |
| 13 | マーク・メランソン | Mark Melancon | 39 |
| 15 | ランディ・マイヤーズ | Randy Myers | 38 |
出典:MLB Stats API の通算セーブ順位(エンドポイント /api/v1/stats/leaders?leaderCategories=saves&statType=career&teamId=135・レギュラーシーズン・2026-08-17取得)。同じ552という数字は球団公式の永久欠番ページにも載っており、2つの独立した公式ソースで一致した。
球団公式は、ホフマンのパドレスでの16シーズンをこう記している(パドレス公式|Retired Numbers・2026-08-17取得)。552セーブ/618機会(成功率.893)、防御率2.76、902試合登板で1,029奪三振。背番号51は永久欠番だ。
2位から6位までの5人を足しても483で、ホフマン1人の552に届かない。 7人目を加えてようやく560になり、追い抜く。歴代クローザーの話をしているつもりが、気づくと1人の話になっている。この記事を書いていて、その引力の強さを実感した。
なお球団公式のページは、ホフマンをいまも「MLB通算セーブ数1位」と書いている。これは引退当時の記述である。野球殿堂の公式ページは「マリアノ・リベラがのちにホフマンの記録を破った」と明記している(野球殿堂公式|Trevor Hoffman・2026-08-17取得)。公式同士でも書かれた時点がずれると内容がずれるので、ここは殿堂側を採る。
4. なぜ「歴代クローザー」が思い出せないのか|3つの時代に割れている(筆者集計)
理由は在任年数にある。58シーズンを3つに割ると、真ん中の15年だけが異常だった。
筆者集計:クローザーの平均在任は1.4〜1.6年。例外は1994〜2008年だけ
| 期間 | シーズン数 | チーム最多セーブになった投手数 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 1969〜1993年 | 25 | 16 | 1.56シーズン |
| 1994〜2008年 | 15 | 2 | 7.50シーズン |
| 2009〜2026年 | 18 | 13 | 1.38シーズン |
真ん中の15年の内訳は単純だ。ホフマンが14シーズン、2003年のロッド・ベックが1シーズン。ホフマンが肩を手術して出遅れた年だけ、別の名前が入っている。
前後の時代は1〜2年で入れ替わる。つまり「1〜2年で交代」がパドレスの標準であって、ホフマンの15年のほうが例外だった。
集計元:MLB Stats API(2026-08-16取得)の年別データを筆者が期間で区切って算出した。区切りはホフマンが初めてチーム最多セーブになった1994年と、パドレス最終年の2008年を境にしている。
だから日本語で「パドレスの歴代クローザー」を思い出そうとすると、ホフマンで詰まる。残り44シーズンに30人が散らばっていて、1人あたりの持ち時間が短すぎる。 覚えられないのは記憶力の問題ではなく、構造の問題だ。
もうひとつ、仕事の中身も変わっている。年代ごとに平均を取ると、投球回が半分になり、セーブが倍になった。
| 年代 | 対象季 | 平均投球回 | 平均登板 | 平均セーブ |
|---|---|---|---|---|
| 1970年代 | 10 | 107.2 | 60.6 | 15.5 |
| 1980年代 | 10 | 94.2 | 61.7 | 22.9 |
| 1990年代 | 10 | 70.6 | 60.6 | 33.0 |
| 2000年代 | 10 | 57.5 | 58.6 | 38.8 |
| 2010年代 | 10 | 63.1 | 64.2 | 34.6 |
| 2020年代 | 7 | 54.4 | 55.4 | 32.1 |
集計元:MLB Stats API(2026-08-16取得)。1969年は単独の1季なので表から外した。2020年代は2026年までの7季。投球回は3分の1単位に直してから平均している(筆者集計)。
登板数はほとんど動いていない。減ったのは1登板あたりのイニングだけである。 1970年代は1試合平均1.77回、2020年代は0.98回。抑えの仕事が「試合の終盤」から「9回の1イニング」へ縮んだ過程が、そのまま数字に出ている。
1イニングをどう抑えるのか|松井裕樹の球種構成をStatcastで分解した記事へ →
いまのブルペンは1人1イニングで回る。その1イニングの中身を見る記事。
5. 名前が残った4人|フィンガーズ、ゴセージ、デービス、ホフマン
殿堂入りした3人と、サイ・ヤング賞を獲った1人。58シーズンの中で球団外にも名前が残ったのは、この4人にほぼ絞られる。
ロリー・フィンガーズ(1977〜1980年)
パドレス在籍は4年で、球団通算108セーブは歴代3位。1977年に35セーブ、1978年に37セーブを挙げ、この2年はいずれもチーム最多だった。殿堂入りは1992年。1981年にはブルワーズでア・リーグのMVPとサイ・ヤング賞を同時に受賞している(野球殿堂公式|Rollie Fingers・2026-08-17取得)。
リッチ・ゴセージ(1984〜1987年)
在籍4年で球団通算83セーブ。球団史上初のワールドシリーズ進出となった1984年に、10勝25セーブを挙げている。 殿堂入りは2008年(野球殿堂公式|Goose Gossage・2026-08-17取得)。パドレス在籍の4年間はすべてチーム最多セーブだった。
マーク・デービス(1988〜1989年)
パドレスのサイ・ヤング賞受賞者5人のうち、救援投手はデービスただ1人である。 1989年に当時の球団記録となる44セーブを挙げ、受賞した。球団公式の年表は「当時のナ・リーグ記録にあと1つと迫る44セーブ」と記す(パドレス公式|Timeline 1980s・2026-08-17取得)。他の4人はいずれも先発投手だった(パドレス公式|Awards・2026-08-17取得)。ブレイク・スネル、ジェイク・ピービー、ゲイロード・ペリー、ランディ・ジョーンズである。
トレバー・ホフマン(1993〜2008年)
MLB公式のキャリア年表が、この16年をよくまとめている。1993年8月6日、ゲイリー・シェフィールドのトレードでサンディエゴへ移籍。 マイナーでは遊撃手だった選手が、レッズの判断で投手へ転向した経歴を持つ。
1995年にチームメイトのドニー・エリオットからチェンジアップの握りを教わり、これが決定打になった。殿堂のプレートの書き出しは「Master of a mystifying changeup(幻惑するチェンジアップの達人)」である。
1998年7月、AC/DCの「Hells Bells」が登場曲としてクアルコム・スタジアムでお披露目され、のちにペトコ・パークへ引き継がれた。同じ1998年に球団記録の53セーブを挙げ、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で2位に入っている。2006年9月にはリー・スミスを抜いて通算セーブの歴代1位に立った(MLB.com・2026-08-17取得)。
紛らわしいのは、ペトコ・パークには「鐘」が2つあることだ。この登場曲の鐘の音とは別に、左翼線には700ポンドの実物の鐘(ミッション・ベル)が吊るされている。どちらがいつ鳴るのかはパドレス9回の鐘とHells Bellsの違いにまとめた。
球団の通算セーブ記録を塗り替えたのは1997年6月23日、ジャイアンツ戦だった。フィンガーズを抜いた109セーブ目である(パドレス公式|Timeline 1990s・2026-08-17取得)。そこから11年で552まで積み上げた。殿堂入りは2018年、3回目の投票だった。
6. 2026年のメイソン・ミラーは、58シーズンで最も三振を取っている
現在地を数字で押さえる。2026年のミラーは、奪三振率・防御率・WHIPの3つで58シーズンの歴代トップに立っている。 奪三振率は9イニングに換算した奪三振数のことだ。
筆者集計:奪三振率の歴代トップ6(1969〜2026年・チーム最多セーブ投手のみ)
| 年 | 投手 | 奪三振率 | 奪三振 | 投球回 |
|---|---|---|---|---|
| 2026 | メイソン・ミラー | 16.31 | 93 | 51.1 |
| 2019 | カービー・イェーツ | 14.98 | 101 | 60.2 |
| 2022 | ジョシュ・ヘイダー | 14.58 | 81 | 50.0 |
| 2020 | トレバー・ローゼンタール | 14.45 | 38 | 23.2 |
| 2023 | ジョシュ・ヘイダー | 13.58 | 85 | 56.1 |
| 2012 | エルネスト・フリエリ | 13.36 | 98 | 66.0 |
上位6つのうち5つが2012年以降に集中している。三振で終わらせるクローザーは、パドレスでも比較的新しい形だ。 ちなみにホフマンの最高は1997年の12.28で、58シーズン中9位にあたる。
集計元:MLB Stats API(2026-08-16取得)の年別データから筆者が算出。奪三振率=奪三振÷投球回×9。投球回の端数は3分の1単位に直して計算した。2026年はシーズン途中の数字である。
MLB公式は、ミラーがアスレチックスからトレードで加入した2025年の内容をこう記している。サンディエゴでの22登板で防御率0.77、対戦した83打者のうち45人から三振を奪った。ポストシーズンでは2登板で対戦9人中8人を三振に取り、8者連続奪三振のポストシーズン記録に並んだ。カーソン・ケリーを打ち取った1球は104.5マイル(時速約168キロ)だった(MLB.com・2026-08-17取得)。
2026年の守護神就任は、前任者の退団によるものだ。2025年に40セーブでナ・リーグ最多だったロベルト・スアレスが、オフにアトランタへ移籍した。 新監督クレイグ・スタメンは同記事で「彼はここにぴったりはまる。あの伝統を受け継いでいく」と述べている。
ここで冷静に見ておきたい点がある。ミラーの2026年は、まだ49登板・51.1回でしかない。 58シーズンの上位に並ぶ数字ではあるが、シーズンは終わっていない。ホフマンの14度やフィンガーズの4年と同じ土俵で語るには早い。
では、その三振は何で取っているのか。ミラーはスライダーを51.3%投げ、その空振り率54.8%はリリーフ12投手で最も高い。ブルペン全体の持ち球はパドレスのブルペン22投手の球種一覧に並べた(Baseball Savant・2026-08-19取得)。
7. この記事で使わなかった数字と、その理由
正直に書く。MLB Stats APIが返す「セーブ機会」と「ブローセーブ」は、1974〜1998年の25シーズンがすべて0だった。 この期間の成功率を計算すると、全員が100%になってしまう。
きれいに揃いすぎている数字は、疑ってから使う。
25シーズン連続でブローセーブが0という値は、成績ではなく記録の欠損とみるのが自然だ。推測: 当該期間のブローセーブがAPI側に入っておらず、機会=セーブ数として返っている。よって本記事では、成功率と機会の比較を一切載せていない。 一覧表からもこの2列を外した。
計算はできる。できるが、計算できることと、載せてよいことは別の話だ。1974年から1998年までの守護神が全員ノーミスだった、という表を作った瞬間にこの記事は信用を失う。
もうひとつ。筆者はペトコ・パークで観戦したことがあるが、この記事の中身は現地に行っても手に入らない。 58年ぶんの年別成績をAPIから引き、期間で区切って平均を取る作業でしか出てこない。だから体験を根拠には使わず、机の上で作ったと明記しておく。行った回数を、書ける内容の担保にはしない。
使わなかったものをもう1つ挙げる。ポストシーズンのセーブは本記事の集計に含めていない。 対象はレギュラーシーズンのみで、これはAPIから取得した時点で条件を固定してある。ホフマンの1998年ナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦のような場面は、この表には出てこない。
8. よくある質問
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出典・参考リンク
すべて 2026-08-17 に取得(年別成績のみ 2026-08-16取得)。
- MLB Stats API(statsapi.mlb.com) — 1969〜2026年の年別成績と、球団通算セーブのフランチャイズ順位。叩いたエンドポイントは台帳に記載した
- MLB.com|It’s official: Mason Miller named Padres closer(2026-02-11・AJ Cassavell) — 2026年の守護神指名、スアレスのアトランタ移籍、2025年の成績と104.5マイル
- MLB.com|Career timeline: Trevor Hoffman — 1993年のトレード、1995年のチェンジアップ、1998年の登場曲と53セーブ、2006年の通算記録
- San Diego Padres 公式|Retired Numbers — 背番号51の永久欠番、パドレスでの552セーブ/618機会
- San Diego Padres 公式|National Baseball Hall of Fame — 殿堂入り選手のパドレス在籍年
- San Diego Padres 公式|Franchise Timeline 1980s — 1989年のマーク・デービス44セーブとサイ・ヤング賞
- San Diego Padres 公式|Franchise Timeline 1990s — 1997年6月23日、ホフマンが109セーブでフィンガーズを抜く
- San Diego Padres 公式|Awards and Honors — サイ・ヤング賞受賞者5人の一覧
- National Baseball Hall of Fame|Trevor Hoffman — 2018年殿堂入り、通算601セーブ、リベラによる記録更新
- National Baseball Hall of Fame|Rollie Fingers — 1992年殿堂入り、1981年のMVPとサイ・ヤング賞
- National Baseball Hall of Fame|Goose Gossage — 2008年殿堂入り、1984年の10勝25セーブ
一次ソースの台帳(URL・取得日・原文の該当箇所)は docs/research/padres-closers-history-sources.md に置いた。
守護神を並べても順位は上がらなかった|パドレスが勝ちきれない理由を数字で見る記事へ →
58年で31人。それでも優勝は無い。next はその話。
初出:2026-08-17
最終データ確認:MLB Stats API(2026-08-16/2026-08-17)・MLB.com・San Diego Padres 公式・National Baseball Hall of Fame(2026-08-17取得)
次回レビュー予定:2027-02-17(2026年シーズン終了後に最終値へ更新する)
筆者:パドレスヘッズ(運営者情報)
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本記事はサンディエゴ・パドレスおよびMLBとは無関係の非公式ファンサイトの記事である。成績はMLB Stats APIおよびMLB公式・球団公式・野球殿堂公式の記載に基づく。1974〜1998年のセーブ機会・ブローセーブはデータが欠損しているため本記事では扱っていない。2026年の数字はシーズン途中のものである。本記事はMLBおよびパドレスのロゴ・選手写真を一切使用していない。
パドレスの歴代クローザーで最も成績が良いのは誰ですか?
A. 通算では圧倒的にトレバー・ホフマンです。パドレスでの16シーズン(1993〜2008年)で552セーブ、防御率2.76、902試合の救援登板で1,029奪三振を記録しました。球団通算セーブの2位はヒース・ベルの134で、その差は418あります。単年なら2026年のメイソン・ミラーです。防御率0.88・WHIP 0.84・奪三振率16.31は、いずれも58シーズンで最も良い値でした(シーズン途中・2026-08-16取得)。
パドレスの歴代クローザーは全部で何人いますか?
A. 「その年にチーム内で最も多くセーブを挙げた投手」を数えると、1969年から2026年までの58シーズンで31人です。1人あたりの平均は1.87シーズンで、31人のうち21人(67.7%)は1シーズンしか最多になっていません。ホフマンの14シーズンが突出しており、彼を除いた44シーズンには30人が入れ替わり立ち替わり並びます。数字はMLB Stats APIから筆者が集計しました(2026-08-16取得)。
パドレスのシーズン最多セーブ記録は何セーブですか?
A. 1998年のトレバー・ホフマンによる53セーブです。MLB.comのキャリア年表も「1998年に53セーブの球団記録を樹立し、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で2位に入った」と記しています。それ以前の球団記録は1989年のマーク・デービスの44セーブで、球団公式の年表によれば当時のナ・リーグ記録にあと1つと迫る数字でした。40セーブ以上のシーズンは58年間で16回あり、そのうち9回がホフマンによるものです。
パドレスの歴代クローザーで殿堂入りした選手はいますか?
A. 3人います。1992年殿堂入りのロリー・フィンガーズは、1977〜1980年に在籍しました。2008年殿堂入りのリッチ・ゴセージは1984〜1987年、2018年殿堂入りのトレバー・ホフマンは1993〜2008年です。ホフマンはパドレスの帽子で殿堂入りし、背番号51は永久欠番になっています。なおサイ・ヤング賞を受賞したクローザーは1989年のマーク・デービス1人だけで、パドレスの同賞受賞者5人のうち救援投手は彼のみです。
2026年のパドレスのクローザーは誰ですか?
A. メイソン・ミラーです。2026年2月11日、新監督のクレイグ・スタメンが正式に指名しました。2025年のトレード期限でアスレチックスから加入し、前任のロベルト・スアレスがオフにアトランタへ移籍したため後を継いでいます。2026年は8月16日時点で30セーブ、防御率0.88、49登板51回3分の1で93奪三振。MLB Networkが発表した現役リリーバー上位10人では2位に入りました。
なぜクローザーの投球回は昔より減ったのですか?
A. 1登板あたりのイニングが短くなったためです。パドレスのチーム最多セーブ投手の平均を年代別に取ると、1970年代は107.2回、2020年代は54.4回とほぼ半分になっています。ところが平均登板数は60.6試合から55.4試合とほとんど変わっていません。つまり出番の数ではなく、1回の出番の長さが縮みました。同じ期間に平均セーブは15.5から32.1へ倍増しました。役割が「終盤を長く投げる」から「9回を締める」へ移った経過が、そのまま数字に出ています(筆者集計・2026-08-16取得)。


